遥が、ピクリと眉を動かす。
私は、溢れる想いを止められずに、口から言葉が次々と出てくる。
「鬼火銃が壊れるってわかってて、どうして私を助けたの…?
鬼火銃が無くなったら、二度と………
二度と、元の世界に帰れなくなっちゃうんだよ?!」
その時、私の瞳から、どっ!と涙が溢れ出す。
ぽろぽろ、と流れ落ちた涙は頬を濡らして、自分でも止めることは出来ない。
「どうして…どうして…!
遥、このまま妖界から出られなくなっちゃう!
……そんなの…そんなの嫌…………!」
嗚咽が漏れて、呼吸が出来ない。
鬼火銃の“通行証”がなければ、この世界からは出られない。
“一生”
言葉が紡げずに、私はその場に崩れ落ちる。
足に力が入らない。
……私のせいだ……。
私が鬼火銃を使えたのなら、遥が紺を撃たなくても済んだはずなのに。
ここに閉じ込められるのは、私だったはずなのに……!