光が消え去り、風が止んだ。

まるで、何事もなかったかのように静まる世界で、私たちは、ただ立ち尽くす。

チャリ…、と遥の手から鬼火銃の鎖が滑り落ちた。


どくん…!


私は、頭の中が真っ白になる。


遥の……………


遥の鬼火銃が………

“砕け散った”………?


周くんも感情を失って、ただ、ただ、遥を見つめている。

すると遥が、くるり、とこちらを向いた。

その表情は、後悔も迷いも何もなかった。

遥は、まっすぐ私に向かって歩いてくる。


「…ケガないか?詠。」


さらり、と私に言葉をかける。

その瞬間

私は、無意識に言葉が出ていた。


「…どう……して…………?

どうして………紺を、撃ったの……?」