百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



するとその時

紺が、小さく掠れる声でクスクス、と笑った。


……!


警戒しながら見つめていると

紺は弱々しくも不気味な声で小さく言った。


『残念……でしたね……

君たちに……私は……浄化出来ない…!』





どういうこと…?


周くんと遊馬たちも眉を寄せて紺を見つめる。

すると、紺が荒い呼吸をしながら続けた。


『大量の闇のかけらを取り込んだ私を浄化するには、加護者の鬼火銃でないとダメだ。

……しかし、加護者の鬼火銃でも浄化には、かなりの負担がかかる。』


どくん。


嫌な予感が頭をよぎった。

どくん、どくん、と心臓が鈍く音を立てる。

すると、紺は苦しそうに笑みを浮かべながら言い放った。


『私を浄化した鬼火銃は、その負担に耐え切れず、必ず壊れて、使い物にならなくなるだろう。』