百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜






周くん………!


私が、息を呑んで二人を見つめた時

芝狸が、するりと周くんの腕から抜けて遥の元へと近寄った。


パァッ


芝狸が遥の体に腕を突き出すと、遥の体が淡い光に包まれる。


……!


驚いて見つめていると、光に包まれた遥の顔色がだんだん良くなってきた。


……何が起こっているの……?


すると、光が消えた瞬間。

遥が目を見開いて自分の体をさすって、驚いたように呟いた。


「…傷が………塞がってる……?」


…!

まさか………。


遊馬と雅も驚いて遥たちを見つめている。

すると、芝狸が遥を見上げながら口を開いた。


『わしの妖力は、相手を攻撃すること以外になら何にでも使えるんじゃ。

…これは、竜ノ神の力をわしに譲ってくれた礼じゃ。恩にきるぞ、九条。』


遥は、目を見開いたまま芝狸を見つめ、そして、ふっ、と笑って頷いた。


……芝狸が、遥の傷を治したんだ!

これで、遥は紺とまた戦える…!