百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



驚いて顔を見上げると

遥が落下した地点に、光り輝く人影が見えた。


「!」


目を見開いて見つめると、それは芝狸を抱いた周くんだった。

周くんは、遥を紺の攻撃から盾になるように座り込んでいる。


……芝狸の瞬間移動を使って、遥を紺から守ったの………?

……“周くん”が………?


その時、周くんが、はぁはぁ、と呼吸をしながら口を開いた。


「……これで、借りは返したからな

…九条………!」





遥は、驚いたように目を見開き、そして、小さく、ふっ、と笑った。


「………あぁ、助かった。

ありがとな………周。」


二人は、お互い目線を合わせて優しく顔を緩める。

私は、なぜだか涙が止まらなかった。

あの二人が、お互いを庇うようにしてそこにいる。

すると、紺が苛立つように黄金の瞳をカッ!と見開き、そして鋭く言い放った。


『おのれ……結城…!

芝の力を使って私の邪魔をするか…!』


周くんはその言葉に、紺を睨んで答える。


「…九条はお前には殺させない…!

何があっても、詠ちゃんと一緒に元の世界へ帰らせてもらう…!」