百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



明らかに動きが鈍くなった遥を、私は動揺して見つめる。


……遥、どうしちゃったの……?

今の矢は、直撃してないはずなのに……?


その時。

遠くの空から小さな二つの影が飛んでくるのが見えた。


『遥さまーっ!』


それは、うちわを手にした一心くんと

大きな瞳でこちらを見つめる闇丸だった。

周くんたちが驚いて彼らを見つめた瞬間

一心くんが真剣な顔をして叫んだ。


『遥さま!これ以上は限界です!

深い傷が開いて、僕の治癒力では治せなくなります!』





………え?!


その時、遥のシャツに、赤く血が滲んでいるのが目に入った。


まさか…!


遥の傷は、完治していない………


と、次の瞬間。

上空でバランスを崩した遥に紺の闇の矢が直撃した。


っ!


「九条!!」


周くんの引きつった声が聞こえた瞬間

遥は、雲の地面に向かって一直線に落下した。


「遥!!」