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「なんなの…?アイツ…。」



次の日の朝。


ベッドから起き上がった私は、
じろり、と隣の部屋の壁を見つめた。


この壁の向こうに、あの変態男がいる。


いきなり現れて、“隣の部屋に住んでいた”
なんて言われて。


おまけに、“バイト感覚なら失せな”なんて、えらそーに。


その時、あいつの言葉が頭の中に響いた。



“それでもお前が狸のおっさん側につくなら

……俺たちは“敵どうし”だな。”



“敵どうし”って……?

なんのこと?



私は、一人で腕を組んで考えた。



周くんに聞けば、何か分かるかな?



私は、ゆっくりとベッドから降りると
プツ、とテレビの電源を入れた。



『おはモーニーング!さてさて、みなさんお待ちかねの“今日の運勢”コーナー!』



いつもの陽気な声が、部屋に響いた。



あ、またあの占いだ。


……結局、昨日の占いも、当たったんだか、当たってないんだかわからないけど

なんとなく今日も見てしまう。