百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



相楽くんは驚きを隠せぬまま芝さんに尋ねる


「人間が妖界に行くなんて、出来るのか?」


すると、芝さんは、こくり、と頷いて答えた


『鬼火銃を持つ人間ならば、鬼火銃が
“通行証”となり、行き来が可能じゃ。

ただし、鬼火銃の通行は一度きり。
往復すると、この世に着いた瞬間、鬼火銃は壊れてしまう。』


……!

ということは、行って帰ってくることは可能なわけか…。


その時、芝さんが真剣な表情で言った。


『…妖界で鬼火銃をなくしたり、使いすぎで壊したりしたら、二度とこの世には戻ってこれなくなる。

それでも、妖界へ行く覚悟はあるか?』


どくん……!


心臓が大きく鳴る。


“二度と戻れなくなる”


その言葉は、ずしり、と重く僕の胸にのしかかった。


………リスクは大きい。


紺が、どんな攻め方をしてくるかわからない

…最悪、妖界で命を落とすかもしれない。


……でも

それでも…………。


“周くん”


そう、彼女が呼ぶなら

僕はどこへだって行く。