百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



「一体、どうしたんだよ社長?」


相楽くんがそう尋ねると
芝さんは動揺した様子で答えた。


『この…本堂の奥から、紺の奴の妖気を
感じるんじゃ…!』


「「「!」」」


僕たちは、その言葉を聞いて目を見開く。


……“本堂の奥”…って……


「“妖界”…って、ことですか?」


僕が尋ねると、芝さんはぎこちなく頷いた。


…!


まさか………

紺が、詠ちゃんを連れて
妖界へと戻ったって言うのか……?


その時、雅くんが腕組みをしながら静かに口を開いた。


「妖は、この世よりも妖界での方が、より強い妖力を出せると聞く…。

紺は本来の力で遥を殺す為に、妖界に遥をおびき出す気か…?」


僕と相楽くんは、はっ!として雅くんを見た。


…確かに、妖は妖界にいた方がのびのび妖気を発せるはずだ。


…九条を妖界におびき出す…?


そんなことしたら、九条は確実に殺されてしまう……!