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『着くぞ!皆の者!!』


走り続け、鳥居が並ぶ石階段を抜けて
山頂の神社へとたどり着いた僕たちは

辺りを見回しながら叫んだ。


「佐伯ーっ!いるかーっ?!」


「詠ちゃーん!!」


相楽くんと僕の声に返事はない。

キョロキョロ神社を見渡した雅くんが
眉を寄せて悔しそうに言った。


「詠はここにいないみたいだな…。

…一体、どこに行ったんだ…?」


すると、その瞬間

芝さんが目を見開いた。


……?


「どうしたんですか…?

まさか、紺の気配に何か……?」


僕の言葉に、芝さんは少し動揺した様子で
ぼそぼそと呟く。


『…いや……まさか………

信じられん…………!』