百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



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遊馬たちが部屋を出てから
一人、ぼんやりとカーペットに座る。


……周くん………

大丈夫かな………。


芝狸が一緒だから、大丈夫だとは思うけど…


私は、不安が込み上げてきて

きゅっ、とクッションを抱きしめた。


……遥の居場所……

ちゃんと分かるのかな……。


……遥…………

生きてるんだよね…………?


会いたいよ………。


その時、コンコン!と
玄関をノックする音が聞こえた。


びくっ!


体が震えて、私は恐る恐る立ち上がる。


……誰……?

遊馬たち………?


私は、そろり、そろり、と玄関に近寄った。


「……遊馬……?雅………?」


すると

扉の向こうから聞こえた声に、私は呼吸をすることさえ忘れた。


「……詠。…俺だ……。」