百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


八雲は、目を細めて答える。


『カンパニーの狙いはあくまで“佐伯 詠”。

…私は引き離したかったんですよ。

“姫”から、いつも姫を守っている“王子”をね』





ふと、嫌な予感がして

僕は鬼火銃を握りしめて八雲に叫んだ。


「…まさか……僕が離れた隙に

紺が、詠ちゃんを…………?!」


その時

八雲が、ばっ!と黒い鬼火銃を
胸元から取り出した。


……あれは…!

人も撃つことができる“新型の鬼火銃”…!


僕は警戒を強めて口を開く。


「…まだ戦う気か…?

…もし、その気があるのなら…僕がお前より先に引き金を引く…!」


すると、八雲は最後の力を振り絞るように
ぼそ、と呟いた。


『……私の役目はもう終わった。

ここで撃たれるぐらいなら……自分で地獄に堕ちてやるさ。』