百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




「…あ。」



青年は、思い出したように、声を上げると、しれっ、と答えた。



「あの時は悪かったな。」







わ………

悪かったで済んだら警察はいらんわ!!


おかげで遅刻はするし、クラスメイトにあらぬ誤解を受けるし、散々だったんだから。



……おまけに、肩を抱かれた時、不覚にもドキドキしちゃったし。



私は、ばっ!と体を起こして青年に近づく。



「初対面の私を、女避けで彼女呼ばわりするなんて最低…!」



すると、彼は目を細めて口を開いた。



「本当の彼女にすればいいのかよ?」


「ふざけないで…!」



私は低いトーンで言い放った。



なんなの?本当に!


こいつ、平気で見知らぬ女に絡むような奴なのかな…。


……確かに、顔は整ってるけど…。



「なんで屋根の上なんかにいたの?

普通の人は登らないでしょ?」



すると、青年は表情を変えずに、さらり、と答える。



「あー…。空飛んで帰ってきたから。」



はぁ?!!!