百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



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『遥さま!あそこです!』


“一心”という名のその天狗の子どもは、目の前を指差して言った。





俺は、そこに目を向けて絶句する。

そこには、禍々しい妖気を放つ、一軒の白い建物があった。

ところどころに血のような赤黒い跡が付いている。


………何だ、ここは……!

まるで地獄だ……。


地面に降り立つと、一心は力尽きたように座り込んだ。

俺は一心の体を優しく撫でて言う。


「無理させてごめんな。

…後で、ちゃんと手当てしてやるから、ここで待ってろ。」


一心は驚いて目を見開き、そして、こくん、と頷いた。

俺は、それを確認し、急いで研究所へと足を踏み入れる。

ツン…、と生臭い血の匂いが鼻をついた。


……凛………

………無事でいてくれ………!


俺は、全速力で廊下を走る。


すると、目の前から俺の行く手を阻むように、次々と、かけらに飲み込まれた妖が現れた。

鋭い爪を、俺に向かって振りかざす。


「邪魔だ………どけぇっ!!」


俺は鬼火銃を片手に、引き金を引く。


『ぎゃぁああぁっ!!!』


身震いするほど苦しそうな叫び声をあげて、妖がどんどん浄化されていく。


「……道を開けろおぉっ!!」



パァン!パァン!


鬼火銃を撃つたびに、自分の中の体力が奪われていった。