百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




いきなり、聞きなれない声が聞こえ
ひょい、と私の目の前に青年が現れた。



「きゃぁぁあっ?!!」



私は、つい後ろへとひっくり返って、思いっきり背中を床に打ち付けた。



な…なに?!


ここ二階!


ベランダなし!


窓の外は墓!!



?!

もしかして幽霊?!!!!



すると、目の前の青年が私の心をすべて読んだように言った。



「なに驚いてんだよ。ちゃんと足あるだろ。」



青年は私の部屋の窓に、トン、と降り立つ。



……屋根から降りてきたの……?


な…な…なんなのコイツ?!



私は、青年をじっ、と見つめた。


藍色の髪の毛が、月明かりに照らされる。


その時、私は、ビビッ!と彼の顔が今朝の記憶と結びついた。



「あぁっ!あんた!今朝の“変態男”!!」



私は、青年を指差してそう叫んだ。


それは紛れもなく、今朝私の遅刻の原因となった

女の子に告白されたのに、私を理由にその子を振った、最低男だった。