百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



俺は、天狗に続けて尋ねた。


「…埋め込まれた妖は、皆そんな傷だらけになっちまうのかよ?」


すると、天狗は、ふるふると首を横に振って答えた。


『いえ…これは、かけらの力を抑えられずに暴走した妖にやられたんです…!』





………何だって………?

妖が、暴走してんのか…?


じゃあ………

そのかけらを生み出し
埋め込んだ“研究員”は………?


体じゅうの血の気が引いた。

俺は、天狗に向かって早口で言う。


「……凛は………女は、無事か?!

研究員がいただろ?琥珀色の髪の毛の!」


すると、天狗は、困惑した顔で答えた。


『…すみません。僕も無我夢中だったので…

でも、あの研究所にいた人は皆、妖に……』


どくん!


心臓が大きく鳴った。


………凛!


俺は、天狗を抱いたまま、すっ、と立ち上がって言った。


「おい!俺にその“研究所”の場所を教えてくれ!今から向かう!」


天狗は、驚いた表情を浮かべて、そして答えた。


『…わかりました!命の恩人のあなたに、僕の力をあげます。

…空を飛んで、僕に付いてきてください!』


俺は、一瞬驚いた後、すぐに頷いた。


……なぜか、“胸騒ぎ”がする。

とても、“嫌な予感”が………!


俺は、天狗の子どもに連れられて

タン!と強く地面蹴って空へと舞い上がった。