俺の言葉に、凛は、疑うような視線を向けた後、はぁ、と息を吐いて
そして、きょろきょろ、と周りを見回しながら言った。
「……それにしても、家を出たって聞いて、どんな部屋に住んでるのかと思えば…
……うぅ……お化けでそう。」
ここは、見た目も中身もボロい、安いアパート。
高校二年に上がり、家を出て、一人暮らしを始めた。
……帰ってもどうせ一人なら、親父と完全に距離を置いた世界に行きたかった。
ま、ボロいけど、こっちの方が住むのに楽だし。
凛が、窓の外の墓を眺めて言った。
「…お化け出ても、私は呼ばないでね。
自分でお祓いとかしなさいよ?」
怯える凛に、俺は平然と言った。
「出ねーよ。お化けなんか。
ってか、凛の周りにはお化けに似たような奴らがたくさんいるじゃねぇか。今さら、怖いのかよ?」
俺の言葉に、凛は、「お化けと妖は別物!」と、俺をじろりと睨んだ。
……そーですか。
俺は、ごろり、と寝っ転がって、天井を眺めた。
……そういえば、思い返してみれば、凛に出会う少し前くらいに変な動物にタックルされた気がするな。
……まさか、あれが“竜ノ神”ってやつだったのか?
夢かと思って、記憶の隅に追いやってたけど
……あれ、現実だったのか。



