百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



すると、凛は目を見開いて俺に近づいた。

そして、俺のシャツをぐいっ!とはだけさせる。


「…っ!お…おい!何すんだ、エロ女!」


「……本当だ………!まさか、遥も加護者なの?」


凛は、俺のことはお構いなしに、まじまじとアザを見つめた。


………なんなんだよ、“加護者”って?

そんなに凄い奴なのかよ?


すると、凛が思い出したかのように口を開いた。


「……そういえば、遥が逢魔街十三番地を見つけられたのも、加護者だったからなのかもしれないね。」


……“逢魔街十三番地”?

あぁ…あの変な路地か。


あそこは、一般人には見えないようになってるって、凛が前に言ってたな。


………ふーん。

俺って、“加護者”なんだ?


すると、その瞬間

凛が、ぐいっ!と顔を近づけた。

そして、強い口調で言い放つ。


「いい?遥!何があっても、カンパニーなんかに入るんじゃないよ!

……加護者の力を、“あいつ”は狙ってくるんだから。」


………“あいつ”?


俺が不思議に思って凛を見ると、凛はじっ、と俺の目を見つめていた。


………。


────ちゅっ。


「?!!」


俺が、隙をついて唇を奪うと、不意打ちを食らった凛は、びっくりして俺を見つめた。


「……もぉ。真剣に聞いてるの?!」


「おー。わかったわかった。

カンパニーには何があっても入らねぇよ。」