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《遥side》
「また、例の“かけら”の研究かよ?」
あの春の日から、一週間後。
凛は、俺に、今まで黙っていた“バイト”の話をするようになった。
凛は、“カンパニーの研究者”として雇われているらしくその会社のトップは“妖”だ、と言った。
初めは信じられなかったが、俺は、凛が嘘を言っているようには思えなくて、
だんだん“妖”を信じるようになった。
会ったばかりのころにこのことを聞かされていたら、“やっぱり変な女なんだな”ぐらいにしか思わなかったと思うけど
…今は信じられる。
血だらけだった時の言葉の意味も、すべて、納得がいった。
凛は、“闇のかけら”と言われるものの開発をしていた。
なんでも、それを作り出せれば、早くバイトの借金を減らせるらしい。
その時、凛がプチ、と胸元のボタンを外して俺に見せた。
「これが、竜ノ神に付けられた加護者の印。
…これがあるから、私はカンパニーに誘われたの。」
……急に服脱ぐなよな。
俺は、ちらり、と竜ノ神のアザを見て、
ぱっ、と目を逸らす。
ふと、自分の胸元を見た。
そして、凛に向かって言う。
「なぁ、それ、本物の印なのかよ?
そんなん、似たようなのが俺にもあるぜ?」


