百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



《凛side》


口付けて、はっ!と我にかえる。


…私、今、何した?!


目を見開いて固まる遥に、私は平静を装って言った。


「……こ…これぐらいで動揺するようじゃ、まだまだ子どもね。

私のこと、バカにできないじゃない。」


誤魔化すようにそう言ったが、遥は、ぴくりとも動かない。


………やっちまった〜。


私は、遥に向かって、頭を下げた。


「…ごめん、遥。悪ふざけしすぎた。」


いきなりキスするなんて、女のすることじゃないよ…。

……どうしよう。

見損なわれちゃったかな…。


嫌われちゃった………とか。


頭の中であれこれ考えていると、遥が、低い声で呟いた。


「……誰が、子どもだって…?」


「………え?」


私が、そう呟いた瞬間

遥が、ぐいっ!と私をベンチに押し倒した。

そして、そのまま私の唇を塞ぐ。


「っ!」


驚いて遥を見ると、私から離れた遥は、
じっ、と私を見下ろして、口を開いた。


「………結城………。」


どくん。


名前を呼ばれた瞬間

私の心臓が大きく鳴った。