百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



────そして、二度目の春が来た。


俺は、桜の花が作り出す絨毯の上を歩き、いつもの結城との待ち合わせのベンチへと向かった。

辺りを見渡すと、公園には、誰もいない。


……結城、来てるよな?


すると、目の前に二つの人影が見える。

一つは、結城だ。


………相手は…

それは、紫色の着物を着こなした、見たこともない男だった。


……誰だ、あいつ…?


俺は、心の中に、もやのようなものを抱えながら二人に近づく。

すると、俺に気づいた結城が、はっ!と目を見開いた。

すると、相手の男も、ちらり、と俺を見て、そして結城に言った。


「……では、私はこれで。

頼みましたよ、凛さん。」


“凛さん”……?


俺は、なぜか、むっ、として男を睨んだ。


なんだ?こいつ。


今どき、着物で外をうろつく奴、いるか?


すると男は、さっ、と着物を翻して去っていった。


「………結城、今の誰だよ?」


すると、結城は冷たい顔をして答えた。


「…別に、遥には関係ない。

……深入りしない方がいい。」


俺は、いつの間にか、“嫉妬”してたのかもしれない。

結城の顔は、俺がバイトの話を聞いた時と、同じ顔をしていた。


「……バイト仲間かよ?」


「!」