百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



俺はそんな結城を見ていると、なぜだか心が温かくなって、顔が緩まずにはいられなかった。


「本当、バカだな、お前。」


俺がそう電話で言うと、結城はスマホ越しに「……バカじゃない。」と、弱々しく反論した。


そして、次に会った時

二人で公園のベンチでおでんを食べた。

イルミネーションとの格差にかなり落ち込むかと思ったが、結城は美味しそうに大根をほおばって、俺の卵まで奪おうとした。


……変な女。


表情がコロコロ変わるから、本当に扱いに困る。

また慰めてやろうと思ったのに。


すると、結城は、にっこりと笑って


「遥がいてくれて、良かったなぁ。」


なんて言って、俺を動揺させるから。

俺は結城の前でせっかくの卵を落として、笑われるハメになったんだ。


……本当、変な女。

こんな奴、今まで会ったことない。


こんな…………

一緒にいて、時間を忘れられる奴


……俺は他に知らない。