百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



「…どーせ、俺をまた呼び出すんだろ?」


すると結城は、ふふ、と微笑んで頷いた。


「だって遥、ちゃんと来てくれるんだもん」





俺は、ふい、と結城から顔を背けた。


………そりゃ……


ずっと待たせておくわけにはいかないだろ。

また、こいつ血だらけになってるかもしれないし。


それに………


“これも何かの縁だよ!”


結城のさっきの言葉が、頭をよぎった。


……俺も、そう思ってしまったんだ。

これは、“運命”なんじゃないかって。


………我ながら、メルヘンチックだな、とは思うけど。

こいつ、バイトして、家で家事して、休む暇なさそうだし……


「……まぁ、話ぐらいなら聞いてやってもいいけど…。」


すると、結城は嬉しそうに笑って呟いた。


「……私、学校の友達には、借金とか入院のこと話せないし、家でもバイトのこと話せないから…

なんでも話せる相手が出来て良かった!サンタさんからの贈り物かな〜……なんて。」


……今はサンタの季節じゃねぇだろ。

もう四月。春だぞ、春。


俺は、心の中でツッコミながら結城の顔を見た。


……まぁ、こいつが笑ってるのを見るのは、悪い気しねぇな。


俺はそれから、暇な時間を見つけては、結城とよく会うようになっていった。