百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



ガッ!!!


女が、いきなり俺の腕を掴んだ。


「っ?!!!!」


俺が、ばっ!と女に目をやると、小さく声が聞こえた。


「……警察は…呼ばないで……。

………救急車もいらない……!」


お………

おいおい………マジかよ………


「……お前、血だらけでよくそんなこと言えるな?

どこ怪我してんだよ?病院いけよ。」


なんかの事件に巻き込まれたのか…?


すると、女は俯いたまま、答える。


「これは、私の血じゃないの。

……私はかすり傷だから……。」


俺は、ぎょっ!として女に言った。


「……“私の血じゃない”って……

お前……まさか殺人犯か?!」


すると、女が、ばっ!と顔を上げた。


「違う!これは、妖の……………」


その時、初めて“彼女”と目が合った。

綺麗な瞳が、俺をまっすぐとらえた。