百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



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*追憶の物語*《遥side》



───二年前。


午後、十時。

人通りの少なくなった、商店街。

俺は、並木道を一人で歩く。

特にあてがあるわけでもなく、ただ、行き場所を求めて歩いていた。


……補導とかされたら面倒くせぇな…
どこかの店に行くか……それとも………


すると、ふと、目の前の看板が目に入った。


“逢魔街十三番地”


………?

こんな看板、あったか…?


俺は、吸い寄せられるように歩いていく。

そして、暗い路地裏を覗いた瞬間。


「っ!!」


女が、血だらけで路地裏に座り込んでいた。

驚いて、絶句し、飛びのいた。


…心臓止まるかと思った………!


な…………

なんだ、この女……?


まさか、殺人………?


マジかよ…最悪…………。


俺は、きょろきょろ辺りを見回すが、他に人通りはない。

さっ、としゃがみ込んで、座り込む女に声をかけた。


「…おい………おい!生きてんのか?!

救急車呼ぶか?…いや、警察のほうか…」


俺がそう言って、スマホを手に取った時だった。