百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



“白蔵天九尾狐”って…………

紺の本名…?


って、“その命尽きるまで”って………

死ぬまで紺の奴隷ってこと?!


「なんで……アイツこんな契約を…!

理不尽すぎる…!」


隣に座っている周くんが、動揺を隠しきれない声で、そう言った。

すると、芝狸は続けて書類を読み始める。


『“その代価として、白蔵天九尾狐は結城 凛の借金を無償とし、カンパニーから解放することとする。

加えて、今後、結城 凛とその家族に一切の手出しを禁ずる。”』





………え………


こ………これって…………。


周くんが、大きく目を見開いた。

長い沈黙が続く。

すると、雅が全てを理解したように口を開いた。


「…ということは、つまり…遥は自分がカンパニーに一生囚われる代わりに

結城 凛とその家族を、紺から引き離そうとしたわけだ。」