百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



すると、雅が目を細めて言った。


「これは妖の世界の文字で書かれてて、俺も解読しようとしたんだけど、わからなかったんだ。」


そして、クッションの上の芝狸へと視線を向けて続ける。


「だから、事務所の狸さんに読んでもらおうと思ってさ。

ここに来たのは、それが一番の理由。」


私たちは、はっ、として芝狸を見た。


そっか…!


芝狸なら、妖の世界の文字が読めるんだ。


すると、芝狸は、クッションから飛び降りて机へとよじ登ると

雅の前にある契約書をじぃっ、と見つめた。

私たちは、黙ったまま、じっ、とその様子をうかがう。


「……読めそうか?社長?」



遊馬がそう尋ねると

芝狸は、ゆっくりと口を開いた。


『“九条 遥は、今日よりその命が尽きるまでカンパニーの為に加護の力を使い

白蔵天九尾狐に服従することを誓う。”』