百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




周くんは、芝狸を見ながら話し始めた。



「それで…竜ノ神のことなんだけど

そいつは、約百年前。妖の住む世界の“妖界”と、人間の住む“この世”を繋ぐ扉を開いてしまった妖なんだ。

そのせいで、この世に妖が頻繁に来るようになったらしい。」



へぇ……そうなんだ。


妖界とこの世を繋ぐ扉かぁ…。


なんだか神秘的。



すると、芝狸は私を見ながら言った。



『お主も見たことがあるじゃろ?

この近くの森の中にある古い神社じゃよ』



えっ?!


まさか、私が初めて竜ノ神と出会った
あの変な神社?!


確かに変な感じはしたな……。

狛犬も、狐と狸だったし。



すると、周くんが私を見ながら話を続けた。



「それで竜ノ神は、この世にいる妖を妖界に帰した時に生じる“浄化の力”に反応して現れるんだ。

だから、僕たちは妖を妖界に帰す任務をしているんだよ。」