百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



遊馬がいなくなる前の日常が
ふと、頭の中に蘇る。


…戻ってきたんだ。

あのいつもの光景が…!


ふいに、泣きそうになり、ぐっ、と堪える。


……今は泣いてる場合じゃない。


遊馬に詳しい話を聞くためにも
まずは八雲を浄化しなくちゃ…!


その時

八雲が、シュルルル!と真っ白な蜘蛛の糸を私たちに向かって放出した。





まずい!

あれは、前に水族館で私たちが捕まった時のものと一緒だ!


……逃げられない………!


すると、ふっ、と真剣な顔をした遊馬が、
パパパパ!と鬼火銃を連射した。

はっ!として目を見張ると

金色の弾丸は、八雲の放った糸にすべて命中し、糸を浄化していく。





す………すごい………!

これが……“遊馬”の力……!


私と周くんが、目を輝かせて遊馬を見つめると、遊馬は私に向かって言った。


「逃げる必要なんてねぇだろ!

…さっさと片付けろ、佐伯!」