百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



っ!!


それは、私が心の奥にしまっていた
遊馬のいつもの笑顔だった。


「な……なぜ………?!

我らの狐の面は…絶対のはずなのに…!」


八雲がそう呟いた瞬間

遊馬が、ニヤリ、と口角を上げて言った。


「こーいうことだからだよ。」


すると、遊馬の手に持っていた狐の面が

ひらり、と一枚の紙と、葉っぱに変わった。





私はそれを見た瞬間

遊馬が消えた日の事務所での記憶が蘇る。


“どうじゃ!まるで本物のようじゃろ?

この薔薇は本物じゃないぞ?わしの妖力で
本物と見分けがつかないほどのレベルの
コピーを作ることが出来るのじゃ!”


それは、芝狸が得意げに見せてくれた

紙と葉っぱから、まるで本物のような
“コピー”を生み出す妖力。


まさか………

その力を使って偽の狐の面を作り出し、ずっと操られたフリをしていたの………?!


信じられない状況に、周くんも体が固まったまま、遊馬を見つめている。

すると遊馬は、再び私を見つめて、言った。


「俺らは仲間を信じて竜ノ神を見つけるだけだ。

……何があっても………!」


それは、遊馬が消えた日に、彼が言い残した言葉だった。

遊馬は、私たちの敵なんかには一日もなっていなかったんだ。


ずっと、一人で、カンパニーと戦ってくれていたんだ………!