そうなんだ…。
「僕は、芝さんの願いを叶えるために、妖探しに協力してるんだ。」
へぇ……。
それは大変そう。
変な妖と毎日会わなきゃいけないんだもんね。
「芝狸の“叶えたい願い”って?」
私が尋ねると、芝狸は『よくぞ聞いた!』と、私のテーブルの上に飛び乗った。
ガチャン!と芝狸が食べた後の皿が音を立てる。
やめて!暴れないで!
食器が落ちるから!
芝狸は、尻尾をピン、と伸ばしながら言った
『わしの“願い”は、異界で妖の王になって、最強の妖力を手に入れることじゃ!
もちろん、王になれば永遠の命を得られる。』
芝狸の瞳は輝いている。
……妖の王になると、最強の妖力と永遠の命が手に入るの?
……想像出来ないけど、なんかすごそう。
その時、周くんが、ふと芝狸の方を見て尋ねた。
「そういえば、どうして芝さんは佐伯さんの家に?
竜ノ神探しをしてたんじゃないんですか?」
“りゅうのかみ”っていうんだ?
周くんたちが探してる妖の名前。
すると芝狸は、らん、と目を輝かせて私を見た。
『この小娘から、竜ノ神の妖力を感じるんじゃ!』



