……え?
私は、ふいに胸が鳴る。
「私に………?」
雅は、少しの沈黙の後
私をちら、と見つめて言った。
「…上がってもいい?」
私は、はっ、とした。
そ…そうだよね。
つい、驚いて、固まっちゃってた。
「うん。…ボロいけど…どうぞ。」
私は、雅を部屋の中に入れて
ガチャ…、と玄関の扉を閉めた。
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「はい、麦茶でもいい?」
私は、机の前に座った雅に、コップを置く。
水か、麦茶の二択なら…麦茶だよね。
すると、雅はごくり、と麦茶を一口飲んで、私に言った。
「…水族館の時のこと…気になって。
ケガとか、してないよね?」
私は、雅の言葉に、こくん、と頷く。
「大丈夫。…あの時はありがとう。
雅は、私と周くんを、紺から守ろうとして
くれたんだよね。」
ずっと、お礼を言おうと思ってたけど
全然会えないから言えずじまいだった。
すると、雅はクールな顔で答える。
「…目の前で傷つけられんの、見たくなかっただけ。
別に、庇ったわけじゃない。」



