百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



どくん。


胸が鈍く鳴った。


周くんは続ける。


「血相を変えて、アイツが病室に飛び込んできて…僕に言ったんだ。

“俺が…絶対お前の姉さんを守ってやる”って……。」


はっ、とした。


遥が、そんなことを………?


そして、周くんは続ける。


「その時、九条はまだ、カンパニーには入ってなかったんだ。

…でも、アイツは“加護者”だったから…本当に、どうにかしてくれるのかもしれないって思って…姉さんを頼んだんだ。」


遥が、カンパニーじゃなかった…?


…遥は、カンパニーに入る前から、加護者だったんだ。

その時にはもう、凛さんと付き合ってたってことかな…?


その時、周くんは、低い声で言った。


「でも………。」


そして、一呼吸おいて、静かに続けた。


「次に九条に会った時、アイツは銀色の鬼火銃を手にしていた。

そして、アイツの目の前で、姉さんは事故に巻き込まれて、死んだんだ。」





凛さんの最期を看取ったのが、遥だったの…?

でも、どうして遥は、カンパニーに?


周くんは続けた。


「九条は、姉さんを守ると言っておきながら全てを裏切って、カンパニーに入って

そして……姉さんの事故を防げずに、死なせたんだ。」





私は、何と言葉をかけていいのか、わからなかった。

周くんが、傷ついた子どものような顔を浮かべる。


……遥のせいで…お姉さんが亡くなったと…思っているんだ。