百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




“本当にあいつに気を許しちゃダメだよ?

……あいつは“裏切り者”なんだから。”


以前、周くんが私に言った言葉を思い出す。


「…“裏切り者”って、どういうこと…?」


私が、そう尋ねると、周くんは一呼吸おいて言い放った。


「あいつ、もともとは、僕の“姉さんの恋人”だったんだ。」





風が、サァッ、と私と周くんの間を
吹き抜けた。

どくん!と胸が大きく鳴る。


“姉さんの恋人”………?


その時、遥の言葉が頭に蘇る。


“凛って、女。”


遥が言っていた、お守りをくれた彼女の名前

どこかで聞いたことがあると思ったら、前に聞いた周くんのお姉さんの名前と一緒だ。

その時、雅の姿が目に浮かぶ。


“カンパニーの研究室に、この髪の毛と同じ
琥珀混じりの“金髪の女”がいたんだよ。

……俺はその女のフリをさせられてる。”


あの、琥珀混じりの金髪……。

よく見れば、周くんと瓜二つだ。