百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


その時、遥が、ちらり、と背後の天井を見上げながら言った。


「周、俺の言葉を聞いていなかったのか?

“あいつは撃つな”、と言ったんだ。」


え……?

どういうこと………?


私は頭の中で、脳をフル回転させて考える。

もし、この糸を操っている八雲を撃ったと
しても、絶対私は逃げられない。

紺を狙った時と同じく、捕らえられるか…、遥が言ったように、最悪、殺される。


一体、何を撃て、っていうの……?!


その時、遥の背後から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


『遥さま!遥さまに言われた通り、すべての水槽の魚たちを移動しました〜っ!』


私は、その声の方に向かって、ぱっ!と
顔を向ける。

すると、そこには可愛らしい小さな天狗の
男の子の姿が。


「一心くん!」


私が呼ぶと、一心くんは、にっこり笑って、ぺこりと私に頭を下げた。


「詠さま!お久しぶりです!」


私は、一心くんを見ながら尋ねた。


「一体、どうしてここに?

“魚”って…?どういうこと?」