百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



その時。

紺が興味深そうに遥を見て口を開いた。


「おや……?遥君じゃないですか。

今日は連絡をしていないはずですが、どうしてここに?」


……?


遥は、紺の命令でここに来たわけじゃ
ないの…?


すると、遥は、ギロリ、と紺に鋭い視線を
向けて言った。


「てめぇ………。

周を巻き込むのは、契約違反だろうが…。」


その言葉に、周くんは、目を見開いて呟く。


「……“契約”………?」


すると、遥の言葉を無言で聞いていた紺が、ニヤリ、と笑って答えた。


「あぁ………確かに、そうでしたね。」


すると、紺が八雲に向かって、ちらり、と
目配せをした。

次の瞬間

周くんを縛っていた蜘蛛の糸が、ぱらり、と解ける。


「………?!

……ど……どういうつもりだ……?」


周くんが、疑いの眼差しでカンパニーの連中を見つめる。

すると、紺が、ふふ、と顎に手を当てて
笑いながら言った。


「仕方ありません。

私には、あなたには手を出せない掟が……」


その時。

遥が「おい。」と、紺の言葉を遮った。


「詠の糸も解かせろ。」