百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



その声に、私は、ぱっ!と目を開く。

するとそこには、すらりと立つ、一人の
青年の姿があった。


「…は……る………!」


掠れた声で、その名を呼ぶと

遥は私を見上げて、目を軽く細めた。

そして、ぼそ、と呟く。


「……白か。」


………。

……白……?


私はその時、言葉の意味に気付いて、
かぁっ!と体温が上がる。


……こっ……

この変態!


こんな時までからかわないでよ!


しょうがないじゃん!スカート履いてるん
だから!

そこから丸見えでしょうけど!


言わなくたっていいじゃん、ばか!


ちょっとでも、来てくれて良かった、なんて思った私がバカみたい!


すると、遥が、ふっ、と笑って言った。


「ん。その顔してろ。

怖がんなくていい。」


え……?


どきん、と胸が鳴って、怒っていた気持ちがしゅうん、と小さくなる。


……まさか……わざと……?


すると、遥が周くんの方に向かって言った。


「周。鬼火銃は手に持ってるんだろうな?」


すると、周くんは少し目を見開いて、そして答える。


「持ってるけど……糸に腕を取られて、うまく動かせない…!」