百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



その時、するっ!と

私の足に、白い糸が絡みついた。





足がもつれて、走れない。


「っきゃぁ!」


絡め取られて、そのまま体じゅうに糸が
巻きつく。


「佐伯さん!」


周くんは、咄嗟に私の手を引っ張ったが
スルリ、と蜘蛛の糸に捕まる。

周くんの体にも、一瞬のうちに糸が絡まって

私たちは左右の水槽に離されて、繋ぎとめられてしまった。


「……っ!」


ぎりぎり、と蜘蛛の糸が私の体を締め付ける


……逃げられない……!


その時、八雲が微笑を浮かべて口を開いた。


「…どうしますか、紺様。

こいつらも、あの青年と同じく、こちらの
手下に引き入れましょうか?」


どくん!


大きく心臓が鳴る。


つぅ…、と汗が額に流れた。


“あの青年”って………

遊馬のこと……だよね……?


遊馬も、この糸に絡め取られたの……?


ぞくっ!と体が震えた。


や………やだ………!