百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




そして私は、目の前の光景に絶句した。



「な………何これっ?!!!!」



テーブルの上には魚の骨、空のご飯茶碗、味噌汁椀。…箸。


…明らかに和食を食べた後よね。



そしてスルメイカ。



………。



私は、思考を一旦停止した後、ものすごいスピードで推理をした。



………おっさんか?!



私が学校に行っている間に、このボロアパートのセキュリティーの甘さを狙って

どこかのおっさんが
私の部屋で優雅な昼食を?!



「佐伯さん…?どうしたの?」



周くんが、不思議そうに私を見る。



「いや……ちょっと、私が家を出た時と、部屋の中が違うな〜って…。」



それを聞いて、周くんが、目を見開く。


そして、申し訳なさそうに眉を寄せた。



「佐伯さん、ごめん…。

…たぶん、それは……」



周くんがそう言いかけた時、私は部屋の中のあるものに気づいた。



「あっ!

えっ?うそっ?!!」



私の視線の先には、すべて綺麗に作り終えてある造花が。



な……なんで?!


昨日、やりかけのまま置いといたはずなのに。



って、全部完璧だし!!