百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



私は、ケタケタと笑う遥に真剣な顔で言う。


「私が遥に見て欲しかったのは、この一個前のニュースなの!」


遥は、首を傾げて「なんだよ?」と私に尋ねる。

私は、遥に向かって言った。


「昨日の夜、関東近県で狐火が目撃されて、それを見た人が行方不明になってるの。

……遥、何か知らない?」


「……!」


その瞬間、遥の表情が一変した。

ぴくり、と眉を動かして、そして真剣な顔つきになる。


「狐火………。」


遥が、ぼそり、と呟いた。


やっぱり、心当たりがあるの?


すると、遥は、ばっ!と服を脱いで、制服に着替えた。

そして、キッチンにある卵焼きを口にくわえると、私に向かって言う。


「出るぞ、詠。お前を送ってってやるから、早くしろ。」


え?

も……もう?


急に出発を早めた遥は、どこか落ち着きなくスマホを取り出し、耳に当てた。

そして、どこかに電話をかけている。


何?

やっぱり、カンパニーが関係してたの?


…私、変なこと聞いちゃったのかな?