百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



その時、ふと、つけっぱなしのテレビが目に入った。


もー…遥ってば。

観ない時は消さないと、電気代無駄なのに。


私は、キッチンから出て、テレビを消そうとリモコンを手に取った。

するとその時、一件のニュースが目に飛び込んできた。

アナウンサーが、真剣な表情で読み上げる。


『昨日深夜、関東近県で人がいない住宅街に火の玉のような物体が飛んでいるのを見たという目撃情報が多数寄せられました。』


“火の玉”……?


注意深く聞き入ると、アナウンサーは
はきはきした口調で続けた。


『専門家の話によると、それは“狐火”ではないか、ということです。

そして、目撃情報を寄せた方々は、今日未明から連絡が取れなくなっており、警察が行方を追っています。』


私は、それを聞いた瞬間、テレビの前で硬直した。


……“連絡が取れない”って…

狐火に導かれるように、いなくなってしまったってこと?


私は、心の中が、ザワザワと騒ぎ出した。