百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


えーっ!

やったぁ!


私は、遥の言葉に気分がぐん、と上がる。


空を飛べるなんて、すごい便利だなぁ。

私も一心くんに頼んで、空飛ぶ力分けてもらおうかな。


その時、遥が、すっ、と立ち上がって
すたすたと玄関に向かった。


「どこに行くの?」


私が尋ねると、遥はガチャリ、と玄関の扉を開けながら答えた。


「隣から制服取ってくる。」


制服…?


すると、遥は続けて言った。


「俺だって高校あるし。

詠は周と同い年だろ?俺、お前らの二個上だから。」


パタン、と扉の閉まる音が響く。


へぇ……

遥って、高校三年生なんだ?


てっきり、もっと年上かと思ってた。


私は、卵焼きを丁寧に作り終えたあと、遥の出て行った扉を見つめた。

そして、ふと考える。


……遥と周くんって、どういう関係なんだろう?


今、遥は、“私と周くんが同級生だから、私が二個下ってことを知った”、的な言い回しだったし…。

周くんの方は、遥のこと、すっごく嫌ってるみたいだし。


そういえば、周くんは、遥と個人的に事情がある、みたいなこと言ってたな…。


まぁ、お互い、過去のことについては話したがらないから

無理に聞こうとは思わないけどね…。