…でも!


私は、バン!と冷蔵庫の扉を閉めた。


私のベッドに勝手に潜り込んで、占領するって、どうなの?!


私は複雑な心境で頭を抱える。


あー…。

遥の部屋の壁、いつ直るのかな…。


私は、その時、はっ!と頭にあることが浮かんだ。

私は静かに遥の方へと歩いて行って、声をかける。


「ねぇ、遥。」


「……ん?」


遥は、ぼーっ、とした瞳で私を見上げると、ゆっくりとクッションを抱いたまま起きあがった。

私は遥を見下ろしながら言う。


「遥がここで私と一緒に住んでるってこと、絶対誰にも言わないでね。」


遥はそれを聞いて、ぴくり、と肩を揺らした


「……“誰にも”って………。」


遥はそう呟くと、全てを悟ったように、ニヤリと笑った。


「おー、わかったわかった。

周にはバレないようにしてやるよ。」