百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜




私はなんとか誤魔化すと、教室を出て、昇降口から校舎を出る。



はぁ……。



って、今日は本当にため息しかついてない。



なんでだろ。

あの占い、当たるって評判なのに。



……私の運が悪いのかなぁ…。



運命の出会い…。

早く私に訪れてくれないかな………



私は、とぼとぼと校門までの道のりを歩く。


周りには、楽しそうにおしゃべりをしながら歩く人たちの姿。



……まずは、運命の人とかはいいから…友達が欲しいな…。


地元に…帰りたい。



私の心の中が、涙どしゃ降りの大雨になった

その時だった。



「君……ちょっと待って!!」



「え?」



急に後ろから声をかけられた。



私?



振り向くと、そこには綺麗な琥珀色の髪の毛の男の子が立っている。







まさか………


この人って………



「お……王子………。」



私は、ぽつり、と呟いた。


それは、間違いなくあの、“噂の”王子様だった。



うっ!


近くで見ると、オーラで押しつぶされる!



「ちょっと、いいかな?」



王子が私に話しかけてる!!



って……なんで………?