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キーンコーン、カーンコーン
最後の授業が終わり、学校終了の鐘が鳴る。
……終わった。
…色んな意味で。
朝は結局遅刻したし…。
もう、なんなの?
今日の運勢、最高なんて嘘じゃん!
私は、はぁ…、と大きなため息をつく。
…もう嫌……なんか、全てに疲れた感じ。
その時、私の頭に朝の“猫”が浮かんだ。
そうだ。早く家に帰らないと。
部屋、荒らされてませんように…!
ちょっと不安だな…。
私は、スクールバックを肩にかけた。
クラスに馴染むためには、いろんな子に話しかけなきゃいけないんだろうけど
今日は今朝の“猫”のことが心配だから、早く帰ろ…。
私が歩き出そうとすると、クラスの女子たちが話しているのが聞こえた。
「ねぇねぇ、“周くん”って、カッコよくない?」
「わかる!本物の“王子様”って感じ!」
…!
“周くん”
そのワードに、私はつい足を止めて、その話にこっそり耳を傾ける。



