百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



しかし、遊馬は何かを言うこともなく、ただ、お面越しに私たちを見つめている。

するとその時、階段の上に立つ紺が
不敵な笑みを浮かべて言い放った。


「あぁ……やっと来ましたか。“我らの新しい部下さん”。

…意外と手こずったようですね?」





“新しい部下さん”…?


どういうこと?


するとその時、遊馬に続いて、メガネをかけた黒スーツの男性が森の中から現れた。

冷ややかな視線を私たちに向けて、それから無表情で紺の言葉に答える。


「えぇ。抵抗されたので時間がかかりましたが、このように面をつけましたので。

もうこの男はカンパニーの手の中にあります。」





………い……

今なんて………?


言葉の意味が理解できず、私はただ、立ち尽くす。


カンパニーの手の中にある、ってどういうこと?


不気味な狐のお面が、視界に入った。


あの面をつけられると、記憶をなくし、カンパニーの操り人形になってしまう…。


ということは……

まさか遊馬も……!