“駒”…って、操り人形にさせられてる人たちのことだよね…?
その時、遊馬との会話が頭をよぎる。
『いなくなった人たちは、今も戻ってきてないの?』
『いや、一週間後ぐらいには何事もなかったかのように戻ってくるらしいぜ?
何があったかを尋ねても、みんな記憶が抜け落ちてるって話だ。』
あれは、こういうことだったんだ!
すべての辻褄が合うと同時に、恐ろしいことが起こっていたのだと身震いがする。
お面をつけられていたせいで、その時の記憶はなくなってしまい
被害者たちは、まるで何事もなかったかのように洗脳されてしまっていたんだ。
芝狸は、怒りを宿した瞳で雅さんを睨んだ。
『葛ノ葉 紺はどこにいる?!
全部あいつの企んだことなんじゃろう?!』
すると、その時
ビュウ!と激しい風が辺りに吹いた。
金色の花びらがまるで天空に昇る龍のように、ザァッ!と舞い上がっていく。
「…っ!」
咄嗟に目をつぶると、かすかな甘い香りが辺りを包んだ。
「私はここだよ。……芝。」



