百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



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たっ、たっ、たっ!



私は住宅街を走り抜ける。


幸い、予鈴まではまだ時間がある。



はぁ…。

今日は運勢最高のはずなんだけど……?


まさか、運命の出会いって、あのブサイクな“猫”とのこと?



………まさかね。



私の運命の人は、ちゃんと“人間”であってほしいな…。



そんなことを考えながら曲がり角を曲がると

そこには青年と少女の姿があった。



どうやら、彼女の方が、青年に告白しているようだ。



うわ……生告白だ。


あの女の子もおひつじ座なのかなぁ。



なんたって、一位だし、運命の人に出会えるんだもんね。


早速会っちゃったとか?



私は、ちらり、と青年を見る。


藍色の髪の青年だ。


顔は、……結構整っている。



うーん…邪魔したくはないけど…

ここを通らないと学校行けないもんな…。



気配を消して、素早く通り過ぎよう。



私は、空気のフリをして、そそくさと青年の横をすり抜ける。



………と。



ぐいっ!



いきなり、腕を掴まれた。



「っ?!」



見ると、青年が私の腕を掴んでいる。



え?え??



私がテンパっていると、青年が女の子に対して、爆弾を言い放った。



「ごめん。俺、こいつと付き合ってるから」



「はぃ?!!!!!」