百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


「そういえば、お前に言おうと思ってたことがあるんだ。」


遥の表情が真剣な顔に変わる。


え?

な……何だろ、改まって…。


突然のことに、私は、じっ、と遥を見ながら言葉の続きを待った。

無意識のうちに、胸がどきどきと音を立て始める。


……まさか、また妖のバイトを辞めろ、とか言われるのかな…。

それとも、周くんのことを何か言われたりとか?


すると、遥が目を細めながら私の予想をはるかに超える

信じられない爆弾発言を言い放った。


「お前、下着とか外に干すなよな。外から丸見えだぞ。」


「………………はぃ?」


その瞬間、私の顔は、ぼっ!と赤くなる。


「っ!この変態!!毎日私の下着を見てたわけ?!信じられない!」


私が叫ぶと、遥は表情を変えずにさらりと言いのける。


「お前が窓辺に干すのが悪いんだろ?隣の部屋に男が住んでるって考えとけよ。

隣に住んでるのが俺じゃなくて本物の変態だったら、一枚ぐらい盗まれてるぞ絶対。」


ピシッ!


見えない空気に亀裂が入る。


さ………最低!!