悲鳴。
なんの理由も予兆もなく
バカと言って振り向けば
いきなりキスをされれば
誰だって出る心の声。
私には1ミリの非もない。
なのに、転校生は耳に指を入れ
「うるせーな」とのたまった。
「はあぁぁぁぁ?」
あかんたれの私でも、さすがに切れた。
「あんた頭おかしいんじゃないの?
イケメンだからって許されるとでも
思ってんの?バッカじゃない?!
最低最悪、気持ち悪い!」
そう言って唇を思い切り袖で拭う。
「あんたなんかまた違う学校に転校
すればいいんだ、最低!」
生まれて初めての勢いで人を罵った。
だって、本当に腹が立ったから。
さっきまでは誰もいなかった道に
散歩帰りの犬を連れた老夫婦が
そんな私を遠巻きに見ている。

